*** 野鳥の鳴き声を楽しもう No27 【オオルリ】 ***
報告: 大井 智弘

 はじめに
 2021年5月の大型連休も「1都3県には遊びに来ないで」「1都3県から遊びに出ないで」といった言葉が飛び交うコロナ禍となってしまった。この時期は夏鳥たちとの出会いが楽しみな時期なのだが、この状況では出掛けるのは自粛、それならば近場で楽しもうと昨年キビタキが見られた近所の公園へ出掛けた。するとキビタキ、さらにはオオルリを発見。今回はオオルリの鳴き声を中心に紹介したい。
 1 オオルリ(大瑠璃)スズメ目ヒタキ科オオルリ属 全長:16~17cm
 オオルリはフィリピンやマレーシアの島嶼部から渡ってくる夏鳥で、亜高山帯付近の樹林帯の日陰で湿気のある沢沿いの斜面を好んで繁殖する。 オスの体上面の光沢のある青さ(瑠璃色)はひときわ美しい。
 オスが綺麗な瑠璃色の羽色になるには1年以上かかる。メスは頭部から体上面がオリーブ色で尾羽は赤褐色である。雌雄とも腹部は白い。
 主に昆虫類やクモ類を採食、植物の実も食べる。空中採食(フライキャッチ)をよく行う。

【写真①】2020年9月 館林市 ♂若鳥
 2 オオルリの鳴き声
 オオルリはウグイス、コマドリと並ぶ日本三鳴(銘)鳥の一種に数えられ、夏鳥の代表として山地の渓流沿いの樹木のてっぺんでよくさえずる。
 春の渡りの時期、オスの方がいち早く渡ってきて、旅の途中、市街地の公園林で枝にとまってさえずりを聞かせてくれる。
 写真②、下の録音①②と動画は、この大型連休中、自宅近くの公園で見られたオオルリで、朝方30分以上さえずり続けて楽しませてくれた。翌日には姿は見られなかった。

【写真②】2021年5月 さいたま市
 【さえずり】 「ピーリーリーリー、ジジ」などと大きな声でさえずる
  ・最後に「ジジ」という濁った声がよく入るが省くこともある
  ・4~10種類のレパートリーを持っていて、長時間さえずり続けることもある
  ・メスは警戒時に低い声で同じような声をくり返して出す
もしメスの声を聞いたら自分が巣に近づきすぎだと判断して、すぐに離れるように注意したい。
 ※ キビタキのさえずりとの違いについては下記サイトを参照していただきたい。
  「野鳥の鳴き声を楽しもう No5 キビタキ」 

【録音①】2021年5月 さいたま市  18秒
 はっきりと「ジジ」という濁った声が入る

【録音②】2021年5月 さいたま市  23秒
 「ジジ」が入ったり入らなかったりする

【録音③】2019年6月 飯能市棒ノ折山  1分49秒
  最後の「ジジ」という濁った声があまり聞こえてこない
  梅雨時の山中でオオルリのさえずりが清涼感を運んできてくれた
【動画】2021年5月 さいたま市 オオルリ 27秒
 腹部の白さばかりが目立つ動画だがさえずる様子がわかる

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